肺がんCT検診を受診される方へ
あなたへの利益
1.肺がんが早期に発見される可能性
ア)肺がんにかかっていた場合に、検診によって早期発見されることにより、早期治療で治癒し、 その肺がんによる死亡を免れる可能性があります。
イ)死亡を免れるには至らなくても、有効な治療を受ける機会が増し生存期間の延長が得られる 可能性があります。
2.肺がん以外の疾患(肺結核など)が発見され、早期治療に結びつく可能性
ア)肺がん以外の呼吸器の疾患
(縦隔腫傷、肺気腫、間質性肺炎、気管支拡張症、抗酸菌感染症など)
イ)肺以外の臓器の疾患
(肝臓疾患、冠動脈石灰化、乳房腫瘤、副腎腫瘍、腎腫瘍など)
あなたへの不利益
1.放射線被ばくによる健康被害の可能性
肺がんCT検診による放射線被ばく線量は、通常の胸部X線検査による検診の約10倍ですが、 通常のCT検査の約3分の1、胃のバリウム検査の2分の1以下です。
肺がんCT検診を受けて被ばくしたことにより、新たにがんが発生したという報告は今までのところありません。
2.偽陽性による経済的・精神的・時間的損害の可能性
検診の結果が陽性(要精密検査・追加検査)となった場合でも、結果的に肺がんでないこともあります。 喫煙する人・喫煙していた人を対象にして肺がんCT検診を行うと、3~6割の人に何らかの “異常な影”が見つかることが報告されています。
このうちの9割以上は肺がんではありませんが、“異常な影”の中には肺がんと非常にまぎらわしいものも あるので、約1~2割の人は肺がんとの鑑別のために精密検査や胸部CTによる経過観察が必要になります。
がん検診全体に関わる重要な事項
検診の結果が陰性であっても、これ以降、肺がんにならないというわけではありません。発育の速い肺がんの場合、 次回の検診までの間に自覚症状で見つかることもあります。太い気管支に発生する肺門型肺がんや、発育が非常に 早い小細胞肺がんなど、肺がんCT検診では発見されにくい種類の肺がんもあります。
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